都市近郊ほど地方選が「ドッチラケ」の意味 「未来を語りたがらない候補者」を生む仕組み
4月12日は、第18回統一地方選前半の投票が行われた。僕の住むさいたま市でも市議会議員選挙が行われ、僕の選挙区では候補者11名、当選人9名が決定した。わりかしゆるい選挙だったと言えるだろう。
しかし11名も候補者がいる割に、うちの近所にまで選挙カーが回ってきたのは4~5名だったのではないか。まあ回ってきても名前を連呼するだけなので、本人の政策などはわからない。
一般的に国会議員選挙に比べると、地方議会選挙は関心が薄い。特に都市近郊では、住んでるところと働いてるところが別というケースが多く、居住地ではメシ食って寝てゴミ出すだけというライフスタイルの人も少なくない。地元にどんな問題があるのかも把握していない勤め人も、少なくないはずだ。
首長以外はみんな野党
かく言う自分も、昔勤め人だった時代はそうであった。今住んでいるところは仮住まいにしか過ぎないという意識もあっただろう。なんか地元の人たちで上手いことやってくださいよ的な無関心さがあった。
地方の政治システムは、国のそれとは大きく異なる。国政は国会がドライブするので、国会議員や政党の政策に関心が集まるのは当然だ。一方で地方議会では、地方の行政をドライブするのは知事や市長であり、議会はそのチェック機構といった意味合いになる。
ほとんどの条例は首長が立案し、議会承認という流れで、議員立案の条例などはほとんどない。おそらく全国の自治体でも、まだ一度も議員立案の条例を持ったことがないところはあるはずだ。
こういう構造だから、地方議員一人一人の理念や思想や方策などは、あまり力を持ち得ない。これは政党にしても、人数が多ければ第一党とは言うが、与党というわけではない。国会の与党に相当するのが首長であり、議会の政党はみんな野党である。
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