PENシリーズはコンパクトさを優先しており、グリップがないボディだ。そのため右手で構えてシャッターを押す際、左手を添えないと扱いにくかった。E-M5 Mark Ⅱは、レンズ側、ディスプレイ側のそれぞれに、握りやすいようにグリップが着けられているため、片手でも安定する。
一眼レフのように、片手の指先に引っかけて持ち運べるほど深くないため、片手での持ち運びには不安を覚えるが、それでもPENシリーズよりも取り回しがよくなった、という印象だ。オプションでカメラグリップも用意されているが、本体だけでももう少し握りやすいと良いように感じた。
写真もビデオもビシッと止まる
E-M5 MarkⅡは、ローパスフィルターレスの1605万画素Live MOSセンサーを採用し、これに画像処理エンジンTruePic VIIを搭載する組み合わせだ。
2011年モデルのPEN Lite E-PL3では、ISO800以上の高感度ではどうしてもノイズが気になってしまっていたが、ディテールを損なわずノイズを取り除く性能が向上している。
しかしセンサーサイズの小ささは、暗いところでの描写に影響を与える。そこでE-M5 Mark Ⅱには、非常に強力な5軸手ぶれ補正機能を採用した。シャッター速度5段分の補正性能は世界最高をうたう。
暗くてシャッター速度が遅くなる場面でも、カメラの補正機能によって、ぶれない写真を撮ることができるということだ。つまり、感度を上げなくても、シャッター速度を低めに設定した撮影に対応できるのだ。ノイズ除去が強力になっても、それに頼らない撮影が行えた。
実際に、ビューファインダーをのぞきながら体を上下左右に振ったり、傾けたりすると、体の動きが細かければのぞいている像はあまり動かなかった。「体の動き」と「見ている映像」に差を感じるほどの補正を体験することができた。
暗い場面での撮影の助けになることはもちろんだが、高性能の手ぶれ補正機能によって、後述のキットレンズに備わっているマクロ機能や手持ちでのスムーズなビデオ撮影など、撮影の幅が広がることを実感できた。
強力な手ぶれ補正とズーム、マクロ撮影などは、やはりスマートフォンと比較しても、上級のカメラならではの機能として楽しむことができた。これと前述の“撮影に集中できる”点は、スマホで好きになった写真の楽しみをより深めてくれるだろう。
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