親であれば、我が子に対して基本的に愛情はあると思います。しかし、愛情があることが、子どもを信頼していることになるとは限りません。ですから「愛情を注げば子どもは親の思う通りになるはず」と勘違いすることがあります。
もちろん、愛情はとても大切なことです。親子関係すべてのベースと言っても過言ではありません。
しかし、子どもは愛情というより、信頼されているかどうかをリアルタイムで感じる傾向にあるようです。一概に断定はできませんが、多くの場合、子どもが無意識に受け取っている親の愛情を実感するのは、子どもが親になってから、大人になってからではないでしょうか。
例えば、親から監視され、いつも、あれこれ言われていたとしたら親から信頼されているとは感じないと思います。あれこれ言うことが親の愛情から出てきたものであったとしても、子どもはそれを感じることなく、信頼されていないとだけ感じるのではないでしょうか。
これまでの筆者の経験では、親があらゆる手段を尽くしても効果がない場合、原因は、親子の信頼関係が崩壊しているか、疑心暗鬼になっていることがほとんどです。ではなぜ信頼関係を築くことができないのでしょうか。
子どもを信頼できない3つの理由(不安、焦り、見栄)
子どもをなかなか信じられない親の心理状態を考察すると、「不安、焦り、見栄」のいずれかが錯綜しているようです。
不安が出てくるのは、今の状態が今後も続くと思ってしまうからだと考えられます。しかし実際は続くことはありません。というより同じ状態が続いたという話を聞いたことがありません。なぜなら子どもは毎日成長し続けており、1年も経てば全く別の人間ではないかと思えるぐらい変わることもあるからです。
親がよくやってしまうことに「“タイムマシン”に乗って悲惨な子どもの未来を見に行くこと」があります。すると「今をなんとかしないと!」と考えます。そのような心理状況で行うことは、大抵、失敗に終わります。心が不安に満ちていると、子どものマイナス面をますます見つけ、それをなんとかしようとし、長所伸展よりも短所是正を先に行ってしまうからです。
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