維新・浅田氏「防衛力強化は経済・産業にもプラス」 日本維新の会が考える「あるべき安全保障」の姿
塩田潮(以下、塩田):北朝鮮の核・ミサイル開発、昨年2月からウクライナ侵攻を続けているロシアの動き、中国の膨張主義による台湾有事の懸念など、日本周辺の安全保障の環境が大きく変化している印象です。北東アジアの安全保障の状況をどう捉えていますか。
浅田均(以下、浅田):日本だけが、1947年施行憲法の背後にある吉田茂元首相の「軽武装」という考え方のまま、今に至っている感じですね。専守防衛という考え方も、第1撃は甘んじるわけで、国内を戦場にしてしまう。一国平和主義を変えなかった帰結で、本当に最悪の考え方です。国内を戦場にしないことを考えなければならない。日本人が第2次世界大戦の敗戦時に持った気持ちを、時代に合わせて変えていく必要があります。
岸田政権の対応は不十分
塩田:岸田文雄内閣はこの状況で2022年12月、国家安全保障戦略の見直しなど、防衛3文書改定を閣議決定しました。現在の岸田政権の安全保障政策をどう見ていますか。
浅田:安倍晋三元首相が掲げた路線で、安倍さんができなかったことをやろうとしているという印象です。安倍さんは首相在任中、外交と軍事は表裏一体という世界標準に持っていこうとかなり努力した。岸田さんはさらにそこに近づけるための努力をしているというところが防衛3文書改定に出ていると思いますが、岸田さんは自民党の派閥・宏池会の領袖です。実際にどこまで世界標準を意識しているかはわかりません。
日本の安全保障は現在の岸田政権の対応では不十分ですね。安倍さんは世界が平和でないと日本も平和ではないと考え、そこに日本はどれだけ貢献できるか、それを「積極的平和外交」と言いました。岸田さんもそこまで踏み込んで独自路線として進めていけるかどうかです。
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