「人と金に乏しい時代」超進化コンビニが示す勝算 何でも「ジュース感覚」無人店舗ビジネスの終点
いえ、じつはそんなことはありません。中国では、「自動棚」と呼ばれるミニサイズの無人コンビニに形を変え、広く普及しています。そしてその「自動棚」が無人コンビニ、そして無人店舗ビジネスをさらに進化させています。
たとえ「医薬品」でもどこでも買える
日本の自動販売機のようなものからミニサイズのボックスタイプまで。いま、中国の街中ではさまざまな種類の自動棚を見かけます。病院、空港、オフィスビル、オフィス、学校など、とりわけ人通りのトラフィックの高い公共の場に、自動販売機はもちろん多くの小型自動棚が設置されています。
忙しい現代人のために、「ほしいものがすぐ買える」顧客体験を提供する自動棚が支持を集めているのです。自動棚には現物が置いてあるので、インターネット通販と違い「すぐ」手に入れられることが強みです。
その自動棚から代表的なものをいくつか見てみましょう。
私が実際に見て一番驚いたのが「薬を販売する自動棚」です。機械の中央に設置されたタッチパネル上で欲しい薬を選択すると、まるで自動販売機で飲み物を買うように、箱の中から薬が出てきます。薬剤師といつでも遠隔で相談できるので、問題ないのです。
万が一在庫が切れている薬や、そもそもそこにない薬であっても、配達サービスと連動しているので、ボタンを押せば基本的に30分以内に届けてくれます。
これらの自動棚にはカメラと重量センサーが搭載されており、購入した商品の重量を感知し、その差分を拾って、代金を請求するシステムになっています。したがって、箱に入るサイズであれば何でも自動棚で販売することが可能です。
また、ビジネスモデルの完成度に唸らされたのが、ウォーターサーバーの自動棚です。マンションの地下などにボトルを保管し、マンション管理人に充塡を委託しています。
ウォーターサーバービジネスにおいてコストの大半を占めるのは配送コスト。マンションを物流拠点とすることで配送コストを抑えているのです。
このように、管理や補充をアウトソーシングすることによって中間工程を省き、サプライチェーンを最適化しながら利益率を高めているのが中国の自動棚のビジネスモデルです。
同時に、人々が往来するトラフィックの高い場所に設置することでタッチポントを増やし、高い収益を確保しています。
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