ホンダ、5回目「F1復帰」で内外に渦巻く期待と不安 低収益にあえぐ4輪事業、課題は開発費の捻出

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一方で、「なぜ再参戦するのか、多数の社員はあきれているのでは」(ホンダの中堅社員)など歓迎一色でもない。むしろ懸念の声も多く聞かれる。というのも、ホンダは台所事情に余裕があるわけではないからだ。

2023年3月期は営業利益8393億円、営業利益率5.0%で、一見するとさほど悪くない。しかし、営業利益の6割は2輪事業に依存している。売上高の6割を占める4輪事業の営業利益率はわずか0.4%。半導体不足という言い訳はあるが、コロナ前から4輪事業の低収益は問題となっていた。

2030年までにEVやソフトウェアの研究開発に5兆円を投じる計画もすでに公表している。年間数百億円とされる開発費や多くの技術者をF1に投入する余裕があるのか、不安に思う社員がいるのは当然だ。

F1の技術を空飛ぶクルマにも応用?

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この点について、三部敏宏社長はF1で2021年からバジェットキャップ(チームの年間予算に上限を設ける)と呼ばれる制度が導入されていることを説明し、「コストキャップがあって、一定以上の開発費をかけられないことになっている」と指摘。

空飛ぶクルマと呼ばれる「eVTOL(電動垂直離着陸機)」やEVの市販車への技術応用を考えれば、十分にそろばん勘定が合うとの主張だが、具体的な数値などは明かさなかった。

ある大手自動車メーカーの幹部は「レースは技術や性能を磨く実験場だ。だからこそ、勝つことが重要で、続けていくことが欠かせない」と指摘する。「(経営が)苦しくなればまた辞めます、では会社としての信頼が問われる」(ホンダ系部品メーカー)との声も聞こえる。

第5期のF1では、勝利はもちろん、経営に対する具体的な成果を示すことがホンダには求められている。

横山 隼也 東洋経済 記者

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よこやま じゅんや / Junya Yokoyama

報道部で、トヨタ自動車やホンダなど自動車業界を担当。地方紙などを経て、2020年9月に東洋経済新報社入社。好きなものは、サッカー、サウナ、ビール(大手もクラフトも)。1991年生まれ。

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