ホンダがEVシフトへ進める仲間づくりの真意 4輪事業の営業利益率は0.4%、収益向上が急務
EV(電気自動車)シフトに突き進むホンダが描く、仲間づくりの構想が具体化し始めた。
ホンダは4月26日に経営方針に関する説明会を開き、EVの重要部品に関して外部と連携を深めていくことを明らかにした。その2日後の4月28日には、EVの心臓部分である電池で、GSユアサと約4300億円を投じてリチウムイオン電池工場(20ギガワット時)を立ち上げると発表。経済産業省の助成金を最大1500億円受けられる見通しで、合弁会社を立ち上げて国内での電池の調達網を強化する。
従来の電池の性能を飛躍的に高められると期待される全固体電池は独自で開発する。一方で半固体電池はアメリカ企業と共同開発しているほか、従来型のリチウムイオン電池では韓国のLGエナジーソリューションなど外部企業からも広く調達する。
EVを拡大していくうえで最大のボトルネックとなる電池の調達について、三部敏宏社長は「グローバルで必要量を安定的に調達するメドが立ちつつある」と自信を示す。
アステモへの出資比率を引き上げ
EVの駆動装置であるeアクスルの調達体制も強化する。
ホンダは9月をメドに自動車部品大手の日立Astemo(アステモ)への出資比率を33.4%から40%に引き上げる。アステモは2020年に、日立製作所の完全子会社だった日立オートモティブシステムズとホンダ系部品メーカーであるケーヒン、ショーワ、日信工業の3社が経営統合して誕生した会社だ。設立時からこれまでホンダは33.4%の出資にとどめていた。
改めて出資比率を引き上げるのは、アステモが手掛けるeアクスルの開発にホンダが関与を強める狙いがある。eアクスルはモーターやインバーター、ギアボックスなどが一体となったEVのキーパーツの1つだ。
トヨタ自動車はデンソーやアイシンと、日産自動車は子会社のジヤトコと組んで、開発を進めている。「eアクスルを軽量化できればEVの航続距離を伸ばすことができる。小型化ができれば車両設計の自由度が広がる。自動車メーカーとしても技術を手の内化しておきたい」とある日産幹部は語る。
また、Nidec(旧・日本電産)など異業種も参入しており、もっとも競争が激しい領域の1つとなっている。ホンダ内部では、「アステモを外販も含めて1000万台のeアクスルカンパニーにする」という計画が進む。
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