「間違った決定も決めないよりマシ」が外資の常識 結論を先送りする日本型管理職は生き残れない

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それは、明確な判断基準を持っているからです。

私が米国系企業へ転職するときのことです。日本法人で一通りの面接が終わったあと、米国親会社の幹部・ロジャー(仮名)との電話面接がありました。軽く挨拶を交わしたあと、先手必勝とばかり、「では自己紹介から……」と切り出したところ、「その必要はない。その代わりに2つの質問に答えてくれればそれでいい」とのこと。

わずか2つの質問で決断

1つ目の質問は、「資産運用コンサルティング・ビジネスにおいて、日本で勝つためには何をすればよいと思うのか?」。不意打ちを食らって脳がエンストを起こしそうになったところを、どうにかこらえて必死に答えました。

多少のやり取りをしたあと、2つ目の質問です。「では、なぜ、あなたにそれができると言えるのか?」。落ち着きを取り戻しながら、私の専門性や実績などを誠実に回答したところ、「OK、サンキュー」で終了、わずか20分です。

たった2つの質問で終わった衝撃的な面接でしたが、あとで考えると、おそらくロジャーは明確な判断基準を持って私との面接に臨んだのだと思います。すなわち、「この人は、資産運用コンサルティング・ビジネスで成功する方法を熟知していて、それを実行できる人なのか」という一点です。

密度の高い会話によって最短時間で必要な情報を手にしようとする、外資系の一流のマネジメントの片りんに触れた気がしました。

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