カロリーばかり気にする人が知らない栄養の全貌 タンパク質、炭水化物、脂肪の寄せ集めではない

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また食品の熱量はキロジュール(kj)で表される場合もある。キロジュールは、科学者がキロカロリーとともに主に使用する単位で、さらに謎めいた定義がなされている。1キロジュールは、1㎏の物体に1ニュートン(これ自体が力の単位である)の力をかけて1メートル移動させるのに必要な熱量である。

1キロジュールは0.239006カロリーに相当する。

つまり、食品に含まれるエネルギーを、何らかの行動――水を温める、または物体を動かす――を推進する理論上の力をもとに定義するということだ。

「主要栄養素」が食べ物をエネルギーにする

水を例外として、どんな食品にもカロリーが含まれる。

これは幸いなことだ。なぜなら私たちの体はエネルギーがなければ、何をすることもできないし、食品から得られるもう1つの重要なものである、栄養を利用することもできないからである。

食品のエネルギーを生み出しているのは、それに含まれる主な栄養素だ。これらは「主要栄養素」と呼ばれ、それぞれが化学的に異なる化合物である。

これらの体を動かす燃料となる栄養素、すなわちタンパク質、炭水化物、脂肪は、摂取されると小さな分子に分解され、細胞内で燃やされる。

だが主要栄養素が提供するのは、エネルギーだけではない。

◆タンパク質──体内のあらゆるものの原料「窒素」を含む

タンパク質と、その構成要素であるアミノ酸は、分子中に「窒素」を含んでいる。

窒素はホルモンや酵素、それに情報を蓄積・保存する分子であるDNAとRNAをはじめ、体内のあらゆる重要なものをつくる物質である。

私たちはタンパク質を摂取しなければ生きていけない。

◆脂肪──すべての細胞を包む「膜」をつくる

脂肪と炭水化物は、一般には「カロリー」の代名詞になっているが、それよりずっと多くのものを含む栄養素だ。

脂肪は私たちを寒さから守り、ビタミンを貯蔵し、肌を潤し、眼球や関節を衝撃から保護する。脂肪の構成要素である脂肪酸は、体内のすべての細胞を包んでいる膜をつくる。

また「ステロール」と呼ばれる特別な種類の脂肪は、生命を支える複雑な化学的機構を連携させるメッセンジャーとして働く。

私たちは脂肪なしではやっていけない。

次ページ炭水化物の正体
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事