
チョコレートパイを食べられるだけ食べてみる

「チョコレートパイほしい人ー?」
手に持ったチョコレートパイを振りながら、ナ先生がみんなに聞いた。ちょうどおなかが空いていた実験経済部の生徒たちは、手を挙げながら叫んだ。
「ハイ! ハイ!」
「じゃあ、公平に全員でじゃんけんして決めましょうか?」
接戦の末、勝ったのはジェジュンだった。
「ジェジュン、前に出てきてチョコレートパイを食べてもらっていい? もうじゅうぶんって思うまで食べてもらってかまわないから」
チョコレートパイを受け取ったジェジュンは、あっという間に1つ平らげた。
「チョコレートパイを食べたときの満足感は、最高で10点とすると何点になる?」
ナ先生が質問した。
「10ではないけど、9点くらいかな?」
「ありがとう、じゃあ、もう1つ食べてみて」
もう1つ手渡されたジェジュンは、2つめのチョコレートパイもすばやく平らげた。
「今度は8点!」
こんなふうにして、チョコレートパイを食べては満足度を答えることを繰り返した。食べた数が増えるほど、食べるスピードは落ちていった。
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