競争で勝ったのに不幸だって?!
ナ先生が、カラフルなクリップが入ったガラスのビンをみんなに見せながら、こう言った。
「このビンにはクリップがどのくらい入っているでしょう?」
「そうだなあ、出して数えてみましょうか?」
とジェジュン。
「いいえ、今日はこれでゲームをします。これから、このガラスのビンを競売にかけます。各自が希望の金額を書いて提示する『入札式』の競売です。ビンに入っているクリップを1つあたり10円として、このビンをいくらで買いたいかを書いてもらいます。いちばん高い額を書いた人が、このビンを買うことができます。落札した人は、自分が書いた金額を私に支払い、私は『実際にビンに入っているクリップの数×10円』分の金額をあげます」とナ先生。
「本物のお金でくれるんですか?」とジェヨン。
「もし、2000円って書いた人が落札して、実際にビンに入ったクリップが70個だったらどうするんですか?」とギョンホ。
「そしたら落札した人は、先生に2000円を払って、先生はその人に700円をあげるということです」とナ先生。
「ってことは、むやみに高い金額を書いたら痛い目にあいますね! クリップがどれくらい入っているか、よく見なくちゃ」とソナが言った。
「クリップを出して数えることはできなくて、外側から眺めることしかできません。みんなじっくり見てから、入札用紙に名前と入札額を書いて、先生に出してください」とナ先生が言った。
みんな前に出てきて、ビンの中のクリップの数を予想しはじめた。しばらくビンを見回してから、本物の入札者のように、慎重に入札額を書き込んだ。
しばらくして、全員の入札用紙を受け取ったナ先生は、教壇を手でトントン叩きながら言った。
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