【産業天気図・重電】新興国向けや復興需要で景況感は堅調、東芝の原発減損リスクなど個別要因に注意

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 原子力事業への影響が無視できないのは東芝。東芝も日立同様、連結事業に占める原子力事業の依存度は数%で2ケタには届かない。が、同社は06年に米国の大手原子炉メーカー、ウエスチングハウス(WH)を約54億ドル(約6200億円、当時)で買収。半導体と原発の2本に経営資源を集中させてきた経緯がある。バランスシート上に約6000億円の「のれん」を計上しており(WH分の計上額がいくらなのか内訳は不明)、場合によっては、巨額の減損が発生する可能性も否定できない。成長戦略の抜本的な見直しも避けては通れないだろう。

とはいえ、12年3月期の営業利益は、火力発電関連や鉄道などの社会インフラ部門や、NAND型フラッシュメモリを軸とする半導体で稼ぎ、前年並みの利益水準は確保できそうだ。

最後に業界3位の三菱電機だが、同社の稼ぎ頭は工場設備のファクトリーオートメーション(FA)で、業況は引き続き堅調。自動車機器は、国内の電力不足や部品不足による稼働低下で出荷が鈍る可能性はあるが、中国をはじめとするFAの新興国需要が牽引し、増益基調が期待できそうだ。

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