【産業天気図・重電】新興国向けや復興需要で景況感は堅調、東芝の原発減損リスクなど個別要因に注意

景況感の展望
11年4月~9月 10月~12年3月


 重電大手の景況感は、震災で不透明感が強いものの、新興国向けや復興需要などが後押しし、おおむね堅調に推移する見通しだ。

前半の2011年4月~9月は、電力不足による稼働率低下が見込まれるため「下向き」。前年同期はリーマンショックからの反発局面で生産が盛り上がったが、今年はこうしたブーストアップ要因もなくなる。業績が大きく崩れる可能性は低いと見られるが、利益水準は前年同期をやや下回るか。

一方、後半の11年10月~12年3月期は、電力危機の一巡から「上向き」に。新興国向けや復興需要を中心に、各種社会インフラ、産業機器関連は活発に推移する公算が大きく、稼働率の上昇と相まって増益が期待できる。

ただし、震災の影響など、企業によって増減益要因はまちまち。個別の特殊要因に注意が必要だ。

まず、最大手の日立製作所は、ハードディスクドライブ事業を9月末までに売却する予定で、これが営業利益と経常利益の下押し要因となる(売却する100%子会社、日立グローバルストレージテクノロジーズ社の10年度業績は売上高5268億円、営業利益572億円)。同社の営業利益、経常利益は通期で減益となる可能性が高い。反面、巨額の株式売却益が発生するため、純利益は過去最高益を大きく上回る水準となりそうだ。

気になる原子力事業だが、こちらは原発事故の影響で停滞は避けられない。ただし、日立の場合、同事業の売上高が連結事業全体に占める割合は、わずか2%程度。電力システム部門の大半は火力であり、業績影響は軽微と考えてよい。中核をなす火力は復旧需要に応えるため、当面はかなり繁忙になる見通しだ。

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