リッチモンドホテル「こだわり朝食」提供の舞台裏 出張先の土地の思い出にご当地メニューを提供
リッチモンドホテルにとって、「朝食」が持つ意味合いは何なのか。
「ビジネスでのご利用なら、全国を忙しく飛び回る方も多く、その土地を印象づける数少ない存在になると思います。また、朝食はチェックアウト前の最後の体験になりますから、その体験が心地よいと、リピーターになってくださる方も多いのです」(本山社長)
筆者が以前宿泊した福岡県内の同ホテルには、「あごだしつゆ」を使ったメニューもあった。
「2018年から、『茅乃舎』のだしで知られる久原本家グループさんとコラボしています。唐揚げにもそのだしを使っており、インバウンド(訪日外国人)の方からも好評です」
「朝早い出発」や「食欲がない」などで朝食をとらない人もいる。その場合は朝食券と引き換えに、グループ会社のベーカリーで作られた「ホテル特製ケーキ」を渡す。
「お好みに応じて『季節のパウンドケーキ』(入れ替え制)と『ダッチカントリーケーキ』を用意しており、現在は季節のパウンドケーキがチョコレートオレンジケーキになります」
今では年間約3万個が提供されるほど定番化した。ケーキを持参した家庭や職場に「食にこだわるホテルを知っていただきたい思いもある」という。ホテルの親会社は鉄道系や不動産・デベロッパー系が目立つが、飲食系は少ない。その強みを生かしている。
「バス・トイレ別」を求める人が増えた
だが、「個性豊かな朝食」だけでは、現代の消費者には対応できない。
「出張時のホテルを選ぶ基準は、①朝食付き、②清潔さ、③過去の口コミ・評判、④(可能な限り)バス・トイレ別です」(30代後半の女性)
「私が選ぶ基準は、①アクセス、②新しい(キレイ)、③バス・トイレ一緒の設備はイヤ(大浴場あったらうれしい)の3つです」(30代前半の女性)
「①朝ごはん、②風呂があるか、③たまに必要なプリントアウトなどへの対応ですね。立地場所についてはタクシーを使うことも多く、優先度は低いです」(30代後半の男性)
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