リッチモンドホテル「こだわり朝食」提供の舞台裏 出張先の土地の思い出にご当地メニューを提供
「宿泊を伴う国内出張」が回復してきた。今回、仕事関係者を通じて出張時の「ビジネスホテル選び」を調べたところ、重視するのは「朝食」「大浴場」「駅近」だった。
その朝食にこだわるのが「リッチモンドホテル」(運営はロイヤルホールディングス傘下のアールエヌティーホテルズ)だ。調査機関の定例調査「顧客満足度」も高い。その理由に迫った。
飲食系の強みで、地方色豊かな「朝食」に
「リッチモンドホテルは、現在国内に43施設(2023年4月末現在)あり、施設の立地に合わせた個性豊かな朝食メニューを提供しています。ビュッフェ形式ですが、例えば北海道の帯広では豚丼、札幌では味噌ラーメン。山形では芋煮、浜松では静岡おでん、姫路では明石焼き、高知ではカツオの漬け丼などを揃えています」
アールエヌティーホテルズの本山浩平社長はこう話す。同社の歴代社長に比べて若く、2020年秋の社長交代発表時は42歳。経営企画室長を務めていたとはいえ、「私が一番驚いた」という社長職打診だった。現在はロイヤルHD執行役員〈ホテル事業担当〉も兼務する。
さて、同ホテルが朝食に注力できる理由は何だろう。
「グループ会社に『ロイヤルホスト』『天丼てんや』などがあり、空港や高速エリアでも飲食施設を運営しています。そのため、スケールメリットを生かした食材の一括調達ができ、セントラルキッチンで、均質化・安定化の視点で製造する人材もいるのです」(本山社長)
食事メニューや客室内のアメニティ選びは、各施設の支配人やスタッフに一定の裁量がある。同ホテルはアルバイトから社員に登用された人が多く、抜擢人事も珍しくない。実は本山社長もアルバイト出身。アメリカの州立大学に進学して卒業後に帰国。20年前、時給800円のバイトからホテルマン人生がスタートした。
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