日本の自動車メーカー、回復への長い道のり《ムーディーズの業界分析》

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財務への影響の見通し

これまでのところ、日本の自動車メーカーはいずれも業績予想の修正を行っていない。しかし、ムーディーズの現時点の予測では、国内工場の閉鎖が続けば、各社の売上高は10年度第4四半期(11年3月31日期末)に5%程度減少する可能性がある。利益およびキャッシュフローも、生産減少に伴う売上高の減少、災害に関連した特別費用および引当金により、大幅に悪化するとみられる。

11年度の売上高

11年度は、大半の自動車生産計画が迅速に回復したとしても、売上高は最高でも前期比1ケタ台前半の伸びにとどまる、とムーディーズは予想している。海外市場の堅調さが、国内市場の不振を補う形となるだろう。そうした状況は特に、自動車生産に関するサプライチェーン上の障害、および消費者心理の冷え込みが予想される年前半に顕著であろう。

11年度の利益

12年3月を期末とする同年度において、売上高の減少、調達先からの部品調達費用の増加に伴う営業費用の増大により、EBITマージンは1ケタ台前半に低下する、とムーディーズは予想している。

その他、自動車メーカーの金融子会社からも利益に圧力がかかる可能性がある。金融子会社は、国内の自動車購入者の多くが経済的に厳しい状況にある中で、リスクに直面することが考えられる。自動車ローンの延滞率、および国内貸し出しポートフォリオの貸倒損失率の上昇が予想される。

11年度のキャッシュフロー

減益に伴い、フリーキャッシュフローの創出が抑制される。また、自動車メーカーは主要部品調達先への財務支援を行わなければならないとみられ、日産はその使途の資金を確保している、と述べている。ムーディーズが格付けを付与する自動車メーカーは、いずれも今後の厳しい時期を乗り切るだけの十分な流動性を有している。バランスシート上の流動性および財務力の指標は悪化するとみられるが、その悪化が、セクター全体にわたる格下げにつながるとはムーディーズは考えていない。ただし、現在の格付けにおいて弱い位置づけにあるメーカーについては、震災による追加的なストレスが、格下げにつながる可能性もある。

※お断り:本記事は3月30日時点の情報をもとに構成しています。

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