夫22歳、妻42歳「授かり婚夫婦」結婚生活のリアル 大学生と社会人歴22年のカップルの日常とは

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我が道を行く真紀さんが健太さんとの共同生活を想像できたのは「性的嗜好が一致」したからだけではない。会話の深さ、経済的価値観、部屋を散らかすレベルなどが自分と大きくズレていないと判断したからだ。

「健太は若いけれど考え方がしっかりしていて、人の内面などに関しても意見を交わせます。お互いに趣味などの好きなことにはお金を使うけれど、無駄遣いはしないしギャンブルもやりません。結婚する前、健太の一人暮らしの家に遊びに行き、掃除道具がちゃんとあるのも好印象でした。一緒に住んでも私だけが家事を頑張らずに済むな、と」

真紀さんに負けず劣らず「ポジティブ」な健太さん

実際、結婚後の家事の大半は健太さんが担っている。大学院の学費免除や奨学金制度の活用を検討しているが、その先のことまでは心配したりはしない。真紀さんに負けず劣らず「ポジティブ」な性格なのだ。

健太さんの両親はまだ50代。一人息子が20歳年上の女性と「授かり婚」をしたことにどんな反応を示したのだろうか。

「僕は高校時代に学年が1コ上の女性と付き合っていました。だから、結婚相手は年上だろうと親も思っていたみたいです。まさかここまで年上とは、と驚いていましたが反対はされていません」

真紀さんには4歳年下の弟がいて、20代のうちに結婚して子育てをしている。そのため親からのプレッシャーはなかったという。

「私は結婚しないものだと父は思っていたそうです。結婚を報告したら、『相手はそれでいいのか?』と健太の家のことを心配していました(笑)」

かなり個性的な2人だけに、周囲も「あれこれ言っても仕方ない。どうせ言うことは聞かないから」と見守ることに決めているのかもしれない。実際、この年の差カップルは今のところ仲良く生活している。

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「小さなことですり合わせが必要だったりはします。例えば、私が洗濯をしなかったことを健太に指摘されてカチンと来たり。身重でゴハンを作ったことを評価してほしいです。でも、私が長年好きな映画や音楽を健太も好きになってくれて共有できたりすると嬉しいですね」  

昨年は、玉置浩二のコンサートに誘って2人で出かけたらしい。健太さんは「生歌、すごかったです。何なんすかね、あれは!」と感動を隠さない。その隣で真紀さんは楽しそうに笑っている。

親子ほど年齢の離れた2人だが、しばらく話していると似た者夫婦のように見えてくるのが不思議だ。リラックスをして深い会話ができること、金銭感覚や衛生観念が離れすぎていないこと。人生のパートナーを選ぶ際、年齢よりも注視するべき条件があるのかもしれない。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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