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「働けど働けど…」石川啄木の短歌がエポックメイキングだったのはなぜ? ゴッホのジャガイモと意外な共通点があった

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絶望に効く今週の名言
『一握の砂』/青空文庫

「ぢっと手を見る」

あまりにも有名な石川啄木の短歌。「はたらけど/はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり」と思ったことのある人は多いだろうが、そこに「ぢっと手を見る」が加わると、ぐっと深みが増す。なぜ人は手を見るのだろう? 仕事が難しいと「手を焼く」と言い、忙しすぎると「手が回らない」と言い、サボるときには「手を抜く」と言う。

NHK「ラジオ深夜便」の人気コーナー「絶望名言」に出演中の文学紹介者が、ビジネスと人生の“絶望”に効く名言を毎週お届けする。【火曜日更新】

啄木の時代(明治時代)、短歌はまだ花鳥風月を詠(うた)うものが主流だった。だが啄木は生活を詠う。庶民の実生活を。絵画の世界でも、昔は聖書の名場面や貴族の肖像を描くことが多かったが、ゴッホは貧しい人たちがジャガイモを食べているところを描いた。啄木も、花鳥風月の世界に「ぢっと手を見る」を持ち込んだわけだ。

他にもこんな短歌がある。「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ/花を買ひ来(き)て/妻(つま)としたしむ」「気の変る人に仕(つか)へて/つくづくと/わが世がいやになりにけるかな」

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