日本では新年度に入ったものの、当面の注目点がイラン情勢の終結時期やこれに伴う資源価格の動静にある状況は変わりそうにない。また、この状況が続く限り、為替市場で「有事のドル買い」が優勢となる状況も変わらず、ドル相場の堅調が予想される。
しかし、過去1年間、為替市場では「ドル離れ」が争点化していた。直感的に「ドル離れ」と「有事のドル買い」は矛盾する概念に思える。
ドル全面高の現状を踏まえれば、もう「ドル離れ」というテーマは終わってしまったのだろうか。
筆者はそう考えていない。「ドル離れ」を検証するという意味では3月27日にはIMFから最新のCOFERデータ(2025年12月末時点)が公表されているため、これをチェックしておきたい。
「ドル離れ」は「解放の日」に始まったわけではない
ドル比率は56.77%と前期(56.93%)から0.16%ポイント低下し、3期連続で統計開始以来の最低値を更新している。25年通年を振り返ると、ドルは名目実効為替相場(NEER)ベースで前年比7.2%減と歴史的にも非常に大きな下落を経験した(前年比でこれよりも下落幅が大きかった年は03年と07年しかない)。
言うまでもなく、トランプ関税を発表した25年4月2日の「解放の日」を境とする「ドル離れ」の結果と解釈されており、それ自体はおそらく間違ってはいない。
しかし、図に示すように、世界の外貨準備におけるドル比率低下は四半世紀以上続いている長期的な潮流でもある。最近に始まった議論ではない。
この期間について強いて節目を見出すとすれば、①01~02年ごろ、②16~17年ごろ、③22~23年ごろなどは急低下を促す契機にはなっていたように見受けられる。

確かに③22~23年ごろ以降から足元にかけてのドル比率低下は急な動きにも見えるが、ドル比率低下は「解放の日」や第2次トランプ政権の横暴など、最近の出来事を受けて始まった流れではなく、長い時間をかけながら、その都度、大きな材料を拾うように起きてきた動きと言えそうである。



















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