私たちは誰しも「理想の自分像」を持っています。理想のビジネスパーソン、理想の上司、理想の妻(夫)、理想の母(父)、理想の娘(息子)、理想の住まい、理想の体型など、言い出したらきりがありません。自分が置かれた状況ごとに理想の自分像があるのではないでしょうか。
なりたい自分像があるのは、決して悪いことではありません。理想を求めて努力を重ねるのは、仕事の姿勢としても生き方としてもすばらしいものです。
しかし、いつもその理想の姿でいられるとは限らないことを理解する必要があります。
納期があるのに納得できるクオリティに達するまで何度も仕事をやり直すわけにはいきませんし、絶対にミスをしない人もいません。体調が悪い日もあれば、忙しくて部屋の掃除が行き届かないときもあるでしょう。
完璧主義は自分も周りも苦しめる
完璧主義の人は、理想の自分を追い求め、しかし理想になりきれないときに自分に失望してしまいます。
「自分はいい母親ではない」
「仕事も中途半端だ」
思い悩み、イライラして周りの人に当たってしまうなど悪循環に陥ることもあります。
さらに完璧主義のまずい点は、理想の姿を他人にも求めることです。他人が自分の期待に応えられなかったとき、「どうしてこれくらいのことができないのか」と怒りを感じてしまいがち。相手を追い詰めるので、人間関係を悪化させてしまいます。
つまり、完璧主義は自分も周りも苦しめるという結果を招いてしまうわけです。
ミスのない仕事も、いい夫や妻、親であろうとする姿勢も大切であることは間違いありません。理想の姿を思い描き、努力を重ねることはポジティブに生きるための秘訣です。
ただし、理想の姿があまりにも現実とかけ離れると、怒りを感じやすくなってしまいます。完璧主義を捨てて、“現実に立脚した理想の姿”を目指しましょう。本当のポジティブシンキングは、現実に根ざしたものなのです。
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