コップをイメージしてください。怒りはちょうどコップからあふれ出た水のような存在です。コップには悲しい、つらい、苦しい、寂しい、不安などマイナスの一次感情がたまっています。一次感情で心のコップがいっぱいになると、怒りとなってあふれてしまうのです。
前のページのマンガの奥さんの一次感情は「不安」でしょう。旦那さんの健康を心配する気持ちや、お酒で失敗してしまう可能性、家庭が壊れてしまうのではないかという不安がたまって、その結果「怒り」となって表現されるのです。怒りの裏にある不安に対処しなければ、いつまでも怒りはあふれ続けることになるのです。
一次感情の解決が怒りを収束させる
あるパソコンメーカーに寄せられたクレームについて相談を受けたことがあります。
メーカーは故障したパソコンを修理したのですが、お客様の怒りがおさまらないというのです。メーカー側は「ちゃんと修理したのに」と頭を抱えていましたが、お客様の言葉をよくよく聞いてみると、「パソコンが壊れたせいで、恥をかいた」ことを訴えられています。
つまりお客様の一次感情は「恥をかいてつらかった」であって、その気持ちを理解してほしかったわけです。
怒りを感じたとき、また相手を怒らせてしまったときに大切なのは、「怒りの奥にある一次感情は何か」を探ることです。
怒りそのものに対処するのではなく、一次感情に対処し、解決に導くほうが効果的です。つらさ、悲しさ、不安などに向き合って、その解決に向けて話し合い、行動すると、自然と怒りがおさまっていきます。
■理想が高すぎると怒りを感じやすくなります
無料会員登録はこちら
ログインはこちら