四半世紀で韓国は2.7倍「日本はマイナス」の悲劇 給料で「日本一人負け」になった根本的な原因
ラトビアとエストニアは、700%以上と伸び率が驚異的すぎて、もはやイメージしづらいほどです。そこで、もう少し身近な国を見てみると、例えば韓国の伸び率は169.6%、アメリカは132.2%です。つまり、韓国は25年のあいだに給料が約2.7倍になり、アメリカは約2.3倍になっているのです。
日本はどうでしょうか。なんと、この中で唯一、日本だけが1996年より2021年の名目賃金が下がっています。日本の次に伸びていないスイスでさえ34.4%プラスということを考えると、日本の-3.6%という数字の異常性がわかるでしょう。
実質賃金ではワースト2位
次に見てみたいのが、実質賃金です。実質賃金は、名目賃金を消費者物価指数で割った値のことで、賃金の真の値打ちを表す数値になっています。例えば、名目賃金が2倍になったとしても、物価が同じく2倍になっていたら、実質賃金は変わらないということになります。
名目賃金が1996年と比べてマイナスだったことを考えれば、実質賃金のほうが少しはマシ、と言えるかもしれません。それでも、日本の伸び率はたったの2.9%で、下にいるのはスペインだけです。
そして、この名目賃金と実質賃金の状況は、名目GDP、実質GDPの状況とほとんど一致しているのです。GDP(国内総生産)とは一定期間内に国内で算出された付加価値の総額で、国の経済水準を測る基本的指標となります。また、付加価値とは、サービスや商品などを販売したときの価値から原材料費や流通費用などを差し引いた価値のこと。ひと言でいえば「儲け」ということです。
IMF(国際通貨基金)が「先進国」にカテゴライズしている国の名目GDPの、1996年と比較した2021年の伸び率を見てみることにしましょう。
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