あれから3年、日本初・官僚系YouTuberたちの現在 農水省の官僚が手掛ける「バズる動画」のその後

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運営事務局としてBUZZ MAFFを成長させてきた、大臣官房広報評価課広報室のお2人に話を聞いた。

動画発信の経緯について、広報企画係長の木元麻実子さんはこう語る。

「ユーチューブなどのSNSをもっと活用せよ、という江藤拓農林水産大臣の提案が発端です。実は当時から省内に公式YouTubeチャンネルは存在していたのですけれども、大臣記者会見をネットに流すだけのツールでした。さらに公式Facebookと公式Twitterもやっていましたが、フォロワーは少なく、若い世代には見向きもされていませんでした。広報室としても改善策を探っていたタイミングで、江藤大臣の発言があり、一気にプロジェクトが動き出しました」

大臣官房広報評価課広報室 広報企画第四係長の木元麻実子さん(撮影:梅谷秀司)

上意下達が徹底される霞が関で、立ち上げチームが発足したのは2019年9月。翌2020年1月の公開は最初から決められていたそうだ。チームに与えられた時間は実質3カ月。それまでに内部調整どころか、すべての体制を整えてマニュアル化しなければならない。「官僚の官僚による国民のためのユーチューブ」という前例のないプロジェクトは、こうして走り出したのだった。

もし自分が国家公務員だったとして、ある日突然、公式ユーチューバーをデビューさせよと命じられてしまったら、どうするだろうか。それも大臣提案がきっかけのプロジェクトときた。どう考えてみてもユーチューバーは、官僚の仕事の進め方とは対極に位置する業務である。たとえ民間企業だったとしても、立ち上げ担当者にだけはなりたくない人がほとんどだろう。

その理由は決まっている。内部調整に忙殺されてがんじがらめになり、その挙げ句に責任を取らされる自分の姿が頭に浮かんでしまうからだ。

上司の決裁は不要「発信者に任せる」

「ありがたかったのは、ユーチューブについては上司の決裁はいらない、と大臣が最初から言ってくれたことです。こうして、伝え方の方法は発信者に任せるという、前代未聞の外部発信が認められることになりました。施策を伝えるという目的がブレさえしなければよい、という形です。私たち運営事務局も著作権のチェックだけしかしていません」(木元さん)

お役所の文書には独特の言い回しが多い。作成した文書を上司にあまり直されなくなるまでには、最低5年はかかるといわれる。なのにBUZZ MAFFであれば、入省1~2年目の職員でも自分が伝えたいことを自分の言葉で、国民にそのまま発信できる道が開けることになるのだ。

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