韓国経済は「半導体ショック」から回復できるか 半導体輸出減少で輸出総額も減、下半期の改善に期待
韓国の貿易収支が14カ月連続で赤字となり、輸出額は7カ月連続の減少となった。これは「韓国経済への警告だ」と韓国国内では受け止められている。輸出依存度の高い韓国経済の構造を考慮すると、いい状態ではけっしてないのは確かだ。
2023年5月1日に韓国の産業通商資源省が発表した「2023年4月輸出入動向」をみると、同年4月の輸出は496億2000万ドル(6兆6872億円)、前2022年同期比で14.2%減少した。
輸入は13.3%減少の522億3000万ドル(約7兆0390億円)、貿易収支は26億2000万ドル(約3530億円)の赤字だった。産業通商資源省のキム・ワンギ貿易投資室長は「主要輸出対象国である中国とベトナムが輸入を減らし、中国やASEAN向けの輸出の減少となった」と説明した。実際に韓国は、2022年10月から連続して輸出額が減っている。
半導体需要の減速が主要企業を直撃
問題は、韓国輸出の中核となる半導体業界の回復がいつになるかということだ。2022年4月時点で韓国の半導体輸出額は108億2000万ドル(約1兆4582億円)、輸出総額の576億9000万ドル(約7兆7748億円)に占める割合は18.7%だった。
しかし2023年4月時点での半導体輸出額は63億8000万ドル(約8598億円)で、前年同期比41.0%の減少となった。これは2023年3月の輸出総額496億2000万ドル(6兆6872億円)の12%だ。輸出総額も2022年8月から9カ月連続で下落傾向が続いている。
世界的な景気回復が遅れて需要が回復せず、サムスン電子・SKハイニックスなどの韓国を代表する半導体企業は打撃を受けている。
サムスン電子は2023年第1四半期(1~3月)の営業利益(速報値)が6402億ウォン(約654億円)、前年同期比で95.5%減少した。売上高は同18.1%減の63兆7454億ウォン(約6兆5114億円)だった。
とくに、半導体事業のデバイスソリューション(DS)部門で4兆5800億ウォン(約4682億円)損失となったことが市場に衝撃を与えた。サムスン電子が四半期営業利益で1兆ウォン(約1000億円)を超えられなかったのは、2009年第1四半期(5900億ウォン)以来だ。
売上高全体でメモリー半導体の割合が90%を超えるSKハイニックスも、第1四半期に3兆4023億ウォンの営業損失を記録した。
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