フジテックの中長期的な企業価値向上のために、すばらしいメンバーに集まっていただいた。非常に感謝している。このメンバーを見ていただいたら、実績もあるし、経験もある。そんなに生易しい人たちではありません。
──支配できるような人たちではないと。
そうです。加えて、今回の候補者たちは私も提案直前まで深くは知らなかったメンバーだ。
──推薦した社外取締役が選任されて取締役会の過半数を握ったら、1株75円(2022年度見込み)の配当を増額するとも提案しています。
フジテックは十分な資金を持っている。配当を100円に増やしても、事業に影響は出ないだろう。それによって、今回提案した候補者が通るのであれば、そのほうがフジテックのためになるだろうと判断した。
新しい経営陣になれば、業績も伸びるだろう。こうした高い配当も可能になると確信している。
オアシスは経営に興味がない
──それだけ、現在の状況が深刻だと。
社内も非常に混乱しているだろう。今度は岡田さんの社長退任を求める発言をするなど、オアシスからは次々に要求が出てくる。
取締役会はオアシスの要求どおりに動いている。聞いた話では、取締役会では緊急動議が3回もあり、十分な討議もなく、すべて可決されているそうだ。フジテックの歴史のなかで緊急動議なんてあり得なかった。
オアシスの投資した他社を見てもらえればわかるが、会社の経営には興味がない。短期間で売り抜けるのが、彼らのやり方だ。実際、事業経営の話はいっさいないわけです。
フジテックは今年、75周年。これまで脈々と企業価値を向上して、社会インフラの重要部分を担ってきた。これが、ほかの国に売られるなんてことになったら、由々しき問題だ。
──勝算は、どの程度あると考えていますか。
勝てると考えております。これだけのメンバーですから。今の状態では……。とてもじゃないけど私は心配。戦うしかないと思います。
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