フジテック元会長「会社はオアシスの言いなりだ」 株主提案の意図から疑惑の真偽まで直撃取材

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フジテックの中長期的な企業価値向上のために、すばらしいメンバーに集まっていただいた。非常に感謝している。このメンバーを見ていただいたら、実績もあるし、経験もある。そんなに生易しい人たちではありません。

──支配できるような人たちではないと。

そうです。加えて、今回の候補者たちは私も提案直前まで深くは知らなかったメンバーだ。

──推薦した社外取締役が選任されて取締役会の過半数を握ったら、1株75円(2022年度見込み)の配当を増額するとも提案しています。

フジテックは十分な資金を持っている。配当を100円に増やしても、事業に影響は出ないだろう。それによって、今回提案した候補者が通るのであれば、そのほうがフジテックのためになるだろうと判断した。

新しい経営陣になれば、業績も伸びるだろう。こうした高い配当も可能になると確信している。

オアシスは経営に興味がない

──それだけ、現在の状況が深刻だと。

社内も非常に混乱しているだろう。今度は岡田さんの社長退任を求める発言をするなど、オアシスからは次々に要求が出てくる。

フジテック元会長の内山氏
内山高一(うちやま・たかかず)/1951年生まれ。1976年にフジテック入社。1978年に取締役。その後、常務、専務、副社長、会長を歴任し、2002年に社長に就任。2022年6月に取締役を退任し会長となったが今年3月に解職された。フジテック大株主のウチヤマ・インターナショナルで社長を務める(編集部撮影)

取締役会はオアシスの要求どおりに動いている。聞いた話では、取締役会では緊急動議が3回もあり、十分な討議もなく、すべて可決されているそうだ。フジテックの歴史のなかで緊急動議なんてあり得なかった。

オアシスの投資した他社を見てもらえればわかるが、会社の経営には興味がない。短期間で売り抜けるのが、彼らのやり方だ。実際、事業経営の話はいっさいないわけです。

フジテックは今年、75周年。これまで脈々と企業価値を向上して、社会インフラの重要部分を担ってきた。これが、ほかの国に売られるなんてことになったら、由々しき問題だ。

──勝算は、どの程度あると考えていますか。

勝てると考えております。これだけのメンバーですから。今の状態では……。とてもじゃないけど私は心配。戦うしかないと思います。

藤原 宏成 東洋経済 記者

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ふじわら ひろなる / Hironaru Fujiwara

1994年生まれ、静岡県浜松市出身。2017年、早稲田大学商学部卒、東洋経済新報社入社。学生時代は、ゼミで金融、サークルで広告を研究。銀行など金融業界を担当。

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