──会社の「顔」であるという内山さん自身は、株主提案の取締役候補に入っていません。
私が憂いているフジテックの状態を正常に戻すことが提案の第一義だから。サクセッションプラン(後継者育成計画)を含めて、コマを進めてきた。いつまでも私が居座るということではなく、次の世代を育てながら体制をどう作るかということをやってきた。
──まずは社外取締役を入れ替える。そのうえで内山さんが取締役に最適だと言われれば、その時考えるのでしょうか。
そういうことですね。
フジテックは50~60年前からグローバルに活躍している。インド、中国、アメリカ、東南アジアとグローバルのノウハウや顧客、人間関係はすべて私の頭の中に入っている。そういう面では、どこをどうしたらいいかということは、わかっているつもりだ。
マンション購入で損害は与えていない
──オアシスが指摘する「疑惑」については?
話題に上がっているマンションは、会社が購入した時には約2.9億円だった。買い取った額は約3.7億円であり、会社に損害を与えていない。オアシスの主張する物件価値7億円には根拠がない。
庭師の件は、フジテックで長年働いていた社員のOBがアルバイトとして作業をしており、作業の際に会社の制服を着ていた。個人のトラックや顔写真が表に出されて、本人は非常に迷惑している。
第三者委員会の調査が打ち切られた件は、フジテックに抗議のレターを送り、東証にも説明書を出している。調査には協力していた。昨年12月ごろに半日の調査を2回受けている。書類についても、ほぼ出していたと思う。もちろん、30年40年前のものもあり、足らない部分はあるが、窓口の担当者は努力をしていた。
第三者委員会には継続して調査をお願いするという申し出もしていた。私が知っている限りでは、「継続します」ということで何度もメールで交流はしていた。2月の臨時株主総会の後、フジテック側の窓口が社外取締役に変わった。そして第三者委員会から調査を打ち切ると返事があった。
2月の臨時総会前にあったと指摘されている社外取締役候補への妨害行為については、そういうことはないと思うし、調査をするのであれば、フジテックの費用ではなく、オアシスの費用でやるべきだ。
──2022年6月23日の定時株主総会では、開始1時間前に自身の取締役再任議案を撤回しました。
大変、申し訳なかったとは思う。
6月17日に第三者委員会が設置されると発表していたので、再任はやめるべきだということはすでに決まっていた。ただ財務本部が開示を担当していて、総会当日の開示になってしまった。
──株主提案では特定株主のオアシスによる経営支配を指摘しています。一方で今回の提案が通ったら、内山さんによる支配になるのでは。
オアシスの提案による現在の社外取締役と、今回推薦した候補を比較してほしい。推薦した人たちは資本政策やガバナンス、グローバル事業のエキスパートだ。
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