500万円で希少ポルシェやフェラーリに乗る方法 高価なクルマを共同所有、値上がり益も期待

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こちらは結局、募集から2週間後にすべて成約。続けて手掛けた1974年式フェラーリ「365GT4BB」も成約してと、サービスは上々のスタートを切った。

「最初のテスタロッサのときには世間的には『なんか怪しいサービス』という反応もありました。そんな中、代官山蔦屋書店にて2週間の展示を行ない、メディアやSNSなどに上げていただいたことで、少しずつ反応が変わってきました。そのテスタロッサが約2週間で成約したことも大きかったと思います。少しずつ僕らの想いが伝わり、応援していただける方々が増えてきている実感がありますね。」

「クルマが大好き。『いつかは』をかなえたかった」と語る浅岡亮太CEO(写真:RENDEZ-VOUS)

そして現在は、5台目のコレクタブルカーがちょうどオーナー募集中となっている。いわゆるスーパーカー世代にとってはこれもたまらない存在である1975年式のポルシェ「911ターボ」は国内納車第1号という個体で、元のオーナーが亡くなって以来、30年もガレージに眠っていたのだという。

4月17日に開催された「オートモビルカウンシル」には、かぶっていた埃すら落とさないまま運ばれたこの車両が展示されていた。8分の1オーナーとなるための価格は595万円である。

希少な文化財を一時預かる責任

成約した際には、まず当時の総輸入元で働いていたポルシェに精通したメカニックの手によりレストア作業に入る。購入金額には100万円のレストア代も含まれていて、作業の進捗をオーナーとして楽しんだあとに1年の所有期間を楽しむことができるというかたちだ。

共同オーナーはすでに6枠が埋まっていて、残りは2枠。募集は5月14日まで受け付けているという。

「文化的な価値を持つ車を再生させ、後世に残していく。共同オーナーという仕組みであればできるのではないかと考えました」

コレクタブルカーの世界には「一時預かり人」という言葉がある。クルマを貴重な歴史的資産あるいは文化財と捉え、その一時預かり人に過ぎないオーナーは正しく維持、管理してそれを後世に残していく義務があるという考え方だ。

所有への間口が広がるというだけでなく、質の高い維持管理などによって、希少で貴重な車両を次代のオーナーにいいかたちで手渡せる可能性をも広げる。そして、これはあくまで主目的ではないにしろ金銭的にも投資以上のリターンを期待できる部分もある。コレクタブルカーの価格高騰は収まる気配が無いだけに、今後、こうしたサービスへの注目度はますます高まりそうだ。

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島下 泰久 モータージャーナリスト

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しました・やすひさ / Yasuhisa Shimashita

1972年生まれ。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。走行性能からブランド論まで守備範囲は広い。著書に『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)。

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