「iモードとは違う」、NTT幹部が語る6G覇権の野望 光を使った新技術「IOWN」で主導権をつかめるか

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――一方で、最大の課題は何だと見ていますか。

この大構想は各企業が連携して助け合いながら、役割分担を決めていく必要がある。その組み合わせをどうするか、という点だ。

各企業には事業計画があるので、それに基づいて展開することになる。そのすり合わせが今後いっそう重要になってくるだろう。

NTTの川添雄彦副社長
川添雄彦(かわぞえ・かつひこ)/1961年生まれ。1987年早稲田大大学院理工学研究科博士課程前期課程修了後、NTT入社。2016年サービスイノベーション総合研究所長、2020年常務執行役員研究企画部門長などを経て2022年より現職(撮影:尾形文繁)

――IOWNの脅威となるような存在として、どんな企業などを想定しているのでしょうか。

フォーラムに加盟していない企業も同様に、光の技術は今後非常に重要だという結論に至ると思う。そのときに、(光技術を使った通信規格などの)「似て非なるIOWN」が出てくるかもしれない。

その前にオープンイノベーションを進めてユースケースを作り、IOWNの技術を多くの人に使ってもらえるようにしたい。

6Gでまったく違う世界に持っていきたい

――例えば中国のファーウェイは、5Gをより洗練させた「5.5G」を提唱しています。光などの技術を使って低遅延などを実現するもので、IOWNに通じるものがあります。

それも似て非なるIOWNのうちの1つだ。ただ、今のところ(類似する技術、サービスで)ファーウェイ以外は思い浮かばない。

「5Gがいい」というのは、(関連特許数の多さなどの点から5Gの覇権を握る)彼ら勝者の論理だ。彼らは連続性を持たせたいが、チャレンジャーであるNTTをはじめとする日本勢は、6Gでまったく違う世界に持っていきたい。

僕らとしては、ファーウェイが5.5Gにお金をいっぱい使ってくれるのはありがたい。その間に僕らは6Gに行くので。別に5Gにこだわらなくても、6Gがよかったら6Gに行こうと思わない?

――ファーウェイに限らず、GAFAなど世界のIT大手はNTTを超える莫大な研究開発費を投じています。そうした中で勝ち目はあるのでしょうか。

長い時間をかけて基礎研究をやっていることが強みとなるだろう。例えばNTTでは、光の研究は1960年代からやっている。

足元の金額だけを比較すれば負けているが、蓄積としてみれば、とても大きい金額を投じている。それに技術というものは必ずしも、お金があるからできるわけじゃない。長い年月と経験に基づいて、新しい真実を発見、実現できる側面もある。

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