「iモードとは違う」、NTT幹部が語る6G覇権の野望 光を使った新技術「IOWN」で主導権をつかめるか
「仲間作り」は順調に進んでいる
――NTTはこれまで「iモード」や「NGN(次世代ネットワーク)」のような新しい技術・サービスを世界に広められませんでした。それらの敗北から何を学び、IOWNにどう生かしているのでしょうか。
得てして事業者は1つの大きな完成形を作ってから展開していこうとしがちで、iモードもそうだった。システムからアプリケーション、端末に至るまで完成させたうえで、それを海外に持っていこうとした(結果、世界展開に失敗した)。
今回、IOWNはそういう戦い方をしない。多くの人たちが関わり、コラボレーションで作り上げていく「オープンイノベーション」の形を採用した。iモードなど過去の事例とは、違ったアプローチをとっている。
――オープンイノベーションにしたことで、足元ではどんな成果が出ていますか。
構想を推進する「IOWN グローバルフォーラム」には、国内外で100を超す企業が加盟している。議論を進める中で、IOWNのユースケースの提案もいろいろと入ってきている。
例えば、車の電気信号を伝達する金属「ワイヤーハーネス」を光ファイバーに置き換えれば、軽量化や情報伝達を速めることが可能となる。こうした提案はNTTではなく、トヨタ自動車といった自動車業界の加盟企業から上がってきたものだ。
――フォーラムには、アメリカのマイクロソフトなど海外IT大手企業のほか、KDDIや楽天モバイルといった国内の競合キャリアも入っています。
想像を超えるほど、多岐にわたる産業界の企業が入ってきた。自動車業界や銀行業界のほか、味の素など食品メーカーも入ってきている。
当初はICT業界が多いかと思ったが、予想よりも広がりが大きかった。IOWNを推進する仲間作りという意味では、非常に順調にいっている。
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