「iモードとは違う」、NTT幹部が語る6G覇権の野望 光を使った新技術「IOWN」で主導権をつかめるか

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――IOWN構想は1.0、2.0、3.0と順を追うごとに、より品質の高いサービスが投入される予定です。3月に提供を始めたAPNサービスは1.0に位置付けられますね。

次に待っているのは2025年度に提供予定の2.0だ。この段階で光電融合技術(編集部注:光と電子が融合したチップを実現するもので、高速演算と電力消費量の低減を可能とする)を本格的に取り入れて、1.0ではできなかった消費電力の引き下げを実現していく。

2029年度をメドとする3.0では、光電融合技術がデバイスから端末の中まで一貫して使用され、電力使用量削減などの性能はさらに高まる。これを国内外へ広めていく。

澤田会長の「信念」から学んだこと

――IOWNは、NTTの澤田純会長と川添副社長が二人三脚で練り込んできました。構想を立ち上げるに当たって、別の企業の事例も徹底的に研究されたのですか。

そもそも(NTT研究所でインターネット関連などの研究に携わってきた)私自身がそういう仕事をしていた。

研究したというより、自身で経験してきたことがベースにある。(他の企業の事例で特に研究したものは)とくにない。

――澤田会長はスピード感のある経営スタイルが特徴で、せっかちな性格でも知られています。お尻を叩かれることもしばしばあるのでは?

いやもう、お尻を叩かれるどころか……(笑)。

澤田がすごいのは、つねに先をみて、できることはすべてやりつくすという信念で仕事に当たっているところだ。その指導をいただきながら、ベストを尽くすべきだと思っている。

時間はやはり重要で、時間がかかると競争で負ける可能性はある。時間軸の目標は定めたが、場合によってはそれを前倒しで進めていきたい。一方で島田明社長からは、IOWN 1.0、2.0、3.0の各ステップを確実に、マーケットインの発想で進めることが非常に大切だ、と言われている。

高野 馨太 東洋経済 記者

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たかの けいた / Keita Takano

東京都羽村市生まれ。早稲田大学法学部卒。在学中に中国・上海の復旦大学に留学。日本経済新聞社を経て2021年に東洋経済新報社入社。担当業界は通信、ITなど。中国、農業、食品分野に関心。趣味は魚釣りと飲み歩き。

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