日本の部長は「タイより年収が低い」の衝撃的事実 「安いニッポン」は現実になっている
ちなみに、このランキングは円安が加速する前の2021年時点の為替レートで計算されており、現在の為替水準に置き換えると、日本の低落傾向は決定的になると見られています。
実際に、日本の給料が一向に上がらないため、日本に出稼ぎに来ていた外国人が母国に戻ってしまう動きが出てきています。例えば、日本では近年ベトナム人労働者の数が急増してきましたが、もはや日本で働く金銭的なメリットは薄れつつあります。
日本とベトナムで大きな収入の差はなくなっている
経済発展が著しいホーチミンやハノイといった大都市では、日本とベトナムで大きな収入の差はなくなっています。しかも、ベトナムではこれから年10%くらい給料が上がっていくと見込まれています。あと10年もすれば両国の給料には決定的な差がつく可能性が大です。だったら、母国に帰って普通に働こうと考えるベトナム人が増えるのは当然の成り行きです。
海外からの出稼ぎが減少するのと対照的に、「安いニッポン」に見切りをつけて、海外に出稼ぎに行く人たちも出始めています。日本では低賃金で働いていた寿司職人や美容師などが、アメリカやシンガポール、オーストラリアなどに渡り、収入が数倍になったという話を頻繁に聞くようになっています。
特にワーキングホリデーの制度を利用できるオーストラリア、カナダといった国では、アルバイトをしながら旅行を楽しみ、なおかつ給料の半分くらいを貯金するような日本の若者がいます。
もちろん海外では給料だけでなく物価も高いわけですが、上手にやりくりすれば1カ月20万円くらいは貯金ができます。日本で月収20万円で働いていた人にとっては、どちらが魅力的な労働環境であるかは一目瞭然です。
これまでの日本では、手に職をつけるタイプの仕事をする人たちは、若い頃に下積みをコツコツとこなし、いずれ独立して自分の会社や店を持つというモチベーションを持っていました。
しかし、これからは専門学校で基礎的なスキルを身に付けたあと、すぐに海外を目指すという動きが加速するかもしれません。少なくとも、今、一流の寿司職人はこぞってニューヨークを目指しています。気がつけば、一線級の職人たちはみんな海外で働いているといった状況が現実のものになるかもしれないのです。
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