日本の部長は「タイより年収が低い」の衝撃的事実 「安いニッポン」は現実になっている
けれども、実際には景気回復に向けた展望は見えていません。このまま失われた40年、50年が続く可能性も現実味を帯びています。
皆さんも薄々感じているとは思いますが、このまま給料は増えないと考えるのが現実的ではないでしょうか。
日本の平均年収は「シンガポール」「タイ」より低い?
そもそも、どうして日本で働く人たちの給料がずっと上がらないのでしょうか。原因は諸説あり、簡単に説明することはできません。ただ、あえて主な原因を挙げるとすると、第一に日本の国際競争力の低下があります。
かつての日本企業はグローバルな競争で強さを発揮してきましたが、バブル崩壊以降は徐々に新興国に追いつかれる状況が目立つようになりました。GDPは2011年に中国に抜かれ、一人当たりGDPも韓国や台湾に追い抜かれようとしています。
今までは、グローバルで稼いだお金を給料として従業員に還元していたわけですが、国際競争力が低下した結果、それができなくなっているわけです。このまま国際競争力が低下すれば、給料が増えないどころか、減る危険性も考えられます。
そして、将来の日本を担う子どもたちを育成する「教育」の面でも、日本の国際競争力の低下は如実に表れています。イギリスの教育専門誌であるタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が世界の大学の中から104の国と地域の1799校を独自の基準でランク付けした「世界大学ランキング」というものがあります。
この2023年版において、日本からランクインしたのは117校。その中で日本のトップは東京大学の39位。2021年版の36位、22年版の35位から順位を下げています。日本で2番目の京都大学は68位であり、200位以内に入っているのは、東大と京大の2校にとどまっています。
ちなみに、ほかに500位台を上回った日本の大学は、東北大学(201〜250位)、大阪大学(251位〜300位)、名古屋大学・東京工業大学(いずれも301位〜350位)となっています。200位以内に中国から11校が、韓国から6校がランクインしているのと比較すると、ずいぶん寂しい結果です。
そんな日本の国際競争力低下を反映し、今や日本人の給料よりも、タイやシンガポールといった東南アジアの国々の給料が高くなっているという話もあります。経済産業省によると、日本の大企業の部長職の平均年収は約1714万円。一見すると高そうに思えますが、アメリカ(約3399万円)、シンガポール(約3136万円)、タイ(約2053万円)と比べると、かなり低い水準です。
OECDが発表している平均賃金を見ても、日本は34カ国中24位と低迷しています。韓国(19位)には2013年に抜かれていますし、ここ数年ではスロベニア、リトアニアといった中東欧の国々にも抜かれている状況です。
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