新入社員でもわかる「金融危機」とは何なのか 6つの過去事例から読み取る危機発生の真因
欧米金融機関の破綻をきっかけに「金融危機」を危惧する声が高まっている。金融危機と言えばリーマンショックを思い出す人も多いだろう。確かに、アメリカの中堅銀行「シリコンバレー銀行(SVB)」の破綻に始まり、スイスの金融大手「クレディ・スイス」までもが経営不安に陥ったこの状況は、当時に通じるところがある。
一方で、リーマンショックで何が起きたのか、そもそも金融危機とは一体何なのか、あまり理解できていない人も多いのではないだろうか。この春、新社会人になった新入社員でもわかるように「金融危機」を解説してみよう。
金融危機とは何か?
金融危機が起こると、金融機関の経営が悪化し、世界中で景気後退が起こる。時には「恐慌」のような大不況をもたらすこともある。実際に、これまで人類が直面した金融危機にはどんなものがあったのか。象徴的なケースをいくつかピックアップする。
17世紀に起きたオランダのチューリップバブルの崩壊は、典型的な恐慌の1つとして取り上げられることが多い。
チューリップの球根に投機的なマネーが集中し、職人の10年分の賃金と球根ひとつの価格が同程度というバブルが発生。1637年に突然値崩れが起き、イギリスの銀行で預金者が一斉に預金を引き出しに動く「取り付け騒ぎ」が起きたと記録されている。
世界的な大不況をもたらした「大恐慌」は、先進国の金融危機が世界中に連鎖したことで知られている。ニューヨーク市場のダウ平均株価は、1929年から1932年にかけて「89.2%」も下落した。株価暴落による不況を回復させようと行われた「ニューディール政策」は有名な経済政策だが、結果的に景気は回復できず、第二次世界大戦を引き起こすことになる。
ニューヨーク株式市場の暴落をきっかけに、世界同時株安が起きた。ダウ平均株価は瞬間的に508ドル安、下落率22.6%をつけ、日経平均も3836円、14.9%の暴落となった。自動売買プログラムによって、一定価格以下になった株が自動的に売られ、株価下落に拍車がかかった。コンピュータが暴走した初めての暴落として知られている。
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