弁護士と違う!「司法書士」の存在が高まっている 相続登記や成年後見の高まる需要に食らいつく

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追い風もある。2024年4月からの不動産相続登記の義務化を受けて、司法書士の業務量は大幅に増加する見通しだ。財産管理や成年後見などの業務も拡大しており、今後も需要は確実に増えていくと考えられる。

ちなみに合格者の平均年齢は、40歳前後とほかの資格より高い。全国約2.3万人いる司法書士のうち、60歳以上が約3割を占めている。人生100年時代、セカンドキャリアを考えるミドルやシニアにとって、有力な選択肢に考えられよう。

人気講師や合格者が語る試験の突破法

「苦手な記述式の対策を早く 量は多いが基礎を繰り返す」
伊藤塾講師 山村拓也
どうしても試験範囲が広いため、覚えるべき量が非常に多く見えるかもしれない。が、それに圧倒され、身構えて萎縮しないでほしい。司法書士試験は重要なことを正確に答えられる人が受かる試験。基礎を徹底し、頻出事項を絞り込み繰り返し学習することで、合格は見えてくる。
択一式の対策だけを先に進めた結果、記述式に苦手意識を持つ受験生は比較的多い。早くから記述式対策をし、正しい方法論を身に付けることを意識してほしい。そうすることで苦手意識を持たず、記述を好きになり、得意科目にしていくことができるはずだ。
試験は5時間という長時間で大量の問題を解く、いわば一種のスポーツで知的格闘技のようなものだ。スポーツの世界でメンタルトレーニングが重視されるように、試験においてもピンチを乗り越えられる強さが必要になってくる。ロングスパンで受験準備の間も浮き沈みを乗り切らなければならない。知識とスキルだけでなく、メンタルの強化も意識して、勉強を進めてもらいたい。
「書いて、聞いて、唱える 重要ポイントは何度も徹底」
司法書士法人なないろ合同事務所 勝池絵里
十数年前、司法書士試験を受けたが、結果が出ないまま断念。情報関連のコンサル会社へと就職した。そこでは仕事自体は好きだったが、深夜帰宅が続くなど労働環境がハードで、「動くなら今しかない」と再挑戦。2回目の受験で合格した。
友人の司法書士事務所の補助者として働きながら資格予備校に通学。平日に使える勉強時間は講義を含めても3時間程度しかない。通勤電車で模試や答練の解説を繰り返し聞いたり、要点ノートを持ち歩いて見たりしていた。一方で休日は図書館や自習室を利用し長いときは10時間以上勉強。重要といわれたポイントは、何度でも書いて、聞いて、唱えて、徹底的に覚えるよう心がけた。
以前受けたときには、どこかに「ダメなら就職すればいい」というような逃げがあった。今回は司法書士として活躍する自分をイメージして、「絶対この道で」と取り組めたことが合格へとつながったのではないか。将来的には自分も独立・開業し、地域の法律の専門家として「この先生がいてくれるから安心」といってもらえるような、代わりの利かない司法書士になりたい。
勝木 友紀子 ライター

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かつき・ゆきこ

フリーランスのライター・編集者。出版社に10年勤務した後、独立。実用、ビジネス、教材などさまざまなジャンルのライティング・編集に携わる。

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