弁護士と違う!「司法書士」の存在が高まっている 相続登記や成年後見の高まる需要に食らいつく

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司法書士の試験範囲は非常に広範だ。

効率よく学習したいなら、資格予備校や通信講座を利用し、重要項目を絞り込んだり、解答の方法論を身に付けたりするほうがいい。予備校の講座を検討する際は、合格実績や使用するテキスト、動画で公開されている講師の授業を比較し、自分と相性のよいところを選ぶことを勧める。

合格するための総学習時間は3000時間といわれるが、「数字にとらわれないほうがよい」(山村氏)。「3000時間勉強すれば必ず合格できるわけではない。試験に頻出する基本事項を絞り込み、確実に理解し身に付けるまで勉強を繰り返すこと」(同)。

時間の限られる社会人は合格まで3〜4年かかるのが普通で、10年以上かかる人もいる。日々の生活で学習に充てる時間をどう捻出するか。司法書士法人なないろ合同事務所の勝池絵里氏は「通勤電車でも模試の解説を聞いていた」と当時を振り返る。

140万円までなら民事訴訟手続きの代理も

司法書士のメインの業務は独占業務である、不動産登記や商業・法人登記などの登記申請だ。加えて、法務局や裁判所に提出する書類作成、遺言・相続、債権整理など。特別研修を受けて認定司法書士になれば、簡易裁判所において、140万円までの民事訴訟手続きの代理ができる。

晴れて合格後は、企業の法務部で企業法務に携わる人もいるが、圧倒的に多いのは自らの事務所を持つ開業司法書士。都市部では1〜5年ほど司法書士事務所に勤務した後に独立するのが一般的である。地方ではそのまま開業する人も少なくない。司法書士の数が少なく、事務所の求人も少ない一方、ニーズは高いからだ。

併せて取るといい資格としては、許認可申請をする行政書士のほか、不動産関連の宅地建物取引士、企業の労務を担当する社会保険労務士などが挙げられる。

収入については、事務所勤務の場合、年収300万〜500万円程度がボリュームゾーン。開業の場合はばらつきが大きいが、『司法書士白書』2021年版アンケートでは、金額を回答したうち、約5割が年間売上高を「1000万円以上」としている。数千万円も珍しくなく、努力いかんで、高収入が見込める資格といえるだろう。

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