ヤマハ「XSR125」原付二種スポーツ日本導入の訳 若者・初心者ライダー獲得を狙った新戦略車

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今回、ヤマハが若年層の新規ユーザーに軸を置いた新型車の発表を行った背景には、バイク業界が抱える課題もあるだろう。従来、この業界は、「市場を支えているのは長年バイクに乗る中高年のベテランライダー」だといわれてきた。それが、ここ数年は、若いライダーも増えてきたことで、ヤマハに限らず、各メーカーではそうした新規参入ユーザーを取りこめるモデルを数多くリリースしてきている。実際に、例えば、60年前のビジネスバイクを復刻したホンダの原付二種「スーパーカブC125」などのスーパーカブ・シリーズは、レトロなスタイルと扱いやすい装備などで、若い世代にも高い人気を誇っている。今回、ヤマハが発表した4機種の小排気量モデルは、いずれもスポーツタイプではあるが、そうした時代の流れにマッチさせるため、市販化に踏み切ったのではないだろうか。

販売だけではなく普及活動も求められる現代

余談だが、若い世代の新規ユーザー向けに、よりハードルが低いモデルを発売すること自体はセールス面で重要ではあるが、それだけでは不十分だろう。彼らや彼女らが、長年バイクに乗るための環境作りも、今後バイク業界が生き残るためには必須だといえる。

例えば、以前、ヤマハが主催する若者向けライディングスクールを取材した際に聞いた話。2輪免許取り立ての初心者ライダーなどを数多く指導するインストラクターによると、「今の若いライダーには、せっかく免許を取得しても、なかなか公道デビューができない人もいる」のだという。理由は、クローズドの自動車教習所でしかバイクに乗ったことがないため。4輪車など、他車両と一緒に走る公道を安全に走れる自信が持てず、きちんと交通の流れに乗れるのかとか、事故に遭うことなどに大きな不安を持つという。中には、せっかく車両まで購入したのに、楽しめず、すぐにバイクを降りてしまう(辞めてしまう)ユーザーもいるそうだ。

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