ヤマハ「XSR125」原付二種スポーツ日本導入の訳 若者・初心者ライダー獲得を狙った新戦略車

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これら4機種は、それぞれスタイルの違いこそあれ、いずれもスポーツモデルであることは同じだ。では、なぜヤマハは、今回ショーのメイン車両として、4台もの小排気量スポーツを公開したのだろうか。

これについて、ブースを管轄するヤマハ車の販売会社「ヤマハ発動機販売」の広報担当者は、「伸長する若年層の2輪免許取得者に対応するため」とコメントした。たしかに、近年のバイク業界では、10代~20代の若いライダーの増加がよく話題に挙がる。ヤマハの新型4機種は、そうした若い世代向けラインナップを充実させることが目的のようだ。

エントリーモデルに位置する原付二種の重要度

XSR125
原付二種となるXSR125(筆者撮影)

とくに原付二種モデルは、高速道路や自動車専用道路を走れないという制約こそあるが、取得が比較的楽な小型限定普通二輪免許でも乗ることができる。また、車両価格も中・大型バイクと比べ安い。若い世代のライダーにとっては、所有するハードルはより低いといえる。だが、現在、ヤマハの原付二種ラインナップは、スクータータイプのみ。シフトチェンジなどのマニュアル操作により、バイクを自在に操る感覚や、スポーティな走りを味わえる機種はこのクラスにない。そこで、今回、原付二種のスポーツモデルを一気に3機種追加し、スポーツライディングなどを楽しみたい若いライダーのエントリーモデル的ポジションにしたいのだろう。

また、軽二輪のスポーツモデルについても、現在ヤマハは、先述したフルカウルのYZF-R25や、カウルレスのMT-25といった250cc車を擁するが、新型となるYZF-R15は155ccのモデル。当クラスの既販車2機種と比べ排気量が小さいぶん、より軽量な車体を持つことが予想できる。とくにバイクの操作に慣れていない免許取り立ての初心者などには、250ccのバイクよりも扱いやすいはずだ。

また、車体価格についても、155ccのバイクのほうが安価となり、若者により手が届きやすくなることが予想できる。ちなみにヤマハ製250ccスポーツの価格(税込)は、YZF-R25が69万800円、MT-25が63万2500円。YZF-R15は、これらよりリーズナブルな価格となることに期待したい。

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