G7外相会合の対中国方針「幸先がよい」と考える訳 岸田首相の言動に注目集まる「広島サミット」
もちろん、注目すべきは厳戒態勢以上にサミットの会談の中身である。今回のサミットの焦点は、「核軍縮」「対ロシア」、そして「対中国」の3つだ。
被爆地・広島からのメッセージとして重要な核軍縮は、ロシアとアメリカが新START (新戦略兵器削減条約)の履行停止を発表し、北朝鮮が核弾頭の小型化に舵を切っている現状がある。何を発しても実現にはほど遠いという見方しかない。
対ロシアに関しては、経済や安全保障面でロシアとの結びつきが強く、日米欧と中ロとの中間的な立場をとるインドやインドネシアといった「グローバルサウス」と呼ばれる国々が、今回、岸田首相の招待で参加する。これらの国々に対し、どう働きかけていくのか、岸田首相の手腕が問われることになる。
中国への対応で結束を確認
では、対中国はどうか。
このテーマであれば、中国と国境紛争を続けるインドや中国の海洋進出に懸念を示すインドネシアからのコンセンサスは得やすい。アメリカをはじめとする「自由」「民主主義」「法の支配」といった価値観を共有する国々にとっては、「中国を強く牽制する総決起大会」にできる絶好の機会となるだろう。
G7サミットは、もっとも注目される広島での首脳会議だけでなく、全国各地で開催される閣僚同士の会合から成る。
そのうちの1つが、4月16~18日、長野県軽井沢町で開かれた外相会合であった。
外相会合では、さっそく初日のワーキングディナーの段階で、覇権主義的な動きを強める中国への対応で結束していくことを確認した。台湾海峡の平和と安定の重要性でも一致した。
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