スーパー、GMSは専門店に勝てるのか 「衣食も雑貨も楽しく買う。GMSへは行かない」の声

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好採算の衣料品もユニクロに惨敗

衣料品で顧客を奪った筆頭株は、やはりユニクロだろう。機能性肌着ヒートテックは、GMSの金城湯池だった下着売り場を侵食した。

今冬も7000万枚を販売したヒートテックは03年誕生。当初は、発熱と保温の2機能が付与された肌着にすぎず、販売実績も200万枚(東洋経済推計)に届かなかったが、その後1年おきに抗菌機能、保湿機能、伸縮性などの新機能を追加。高度な縫製技術を持つ中国工場での安定生産で、品質にムラのない商品供給も実現した。この間、GMSもさまざまな機能性肌着を開発し対抗を試みたが、ユニクロの背中は遠い。

ファッション衣料のしまむらもGMSを大きく脅かした存在だ。パリやロンドンなどにバイヤーを派遣し流行の定点観測を怠らない。10年には、シーズンが半年先にやってくるオーストラリアにも人員を派遣、最先端トレンドを貪欲に追求する。

しまむらの場合、1店舗に同一商品を原則2点以上置かないよう徹底。1週間に2~3割の商品が入れ替わる展開の早さで、客を飽きさせない。今では50代の主婦から小中高生まで、その客層を拡大させつつある。ライバルの貪欲な姿勢に、GMSの衣料品売り場は“完敗”。衣料品の粗利率は5割と、ずば抜けて高いだけに、その打撃は大きい。

虎の子の食料品も食品スーパーが侵食

さらにここに来て、薄利だが安定した需要のある食料品分野でも、衣料品を扱わない食品専門スーパーが勢力を拡大しつつある。

JR中央線・三鷹駅前にある食品スーパー・オオゼキ三鷹店。この店はほぼ毎月、売上高が前年を上回る。周辺には東急ストアやイトーヨーカ堂などが立ち並ぶ。地盤のないオオゼキの開店は06年3月。軌道に乗るまで数年かかると覚悟したが、ふたを開けてみれば近隣GMSの客を吸い上げる優良店となった。

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