スーパー、GMSは専門店に勝てるのか 「衣食も雑貨も楽しく買う。GMSへは行かない」の声
千葉県北部、JR四街道駅から徒歩15分のところに「MEGAドン・キホーテ」がある。大手ディスカウントストアのドン・キホーテが手掛ける新型GMS(総合スーパー)だ。2007年、ドンキは中堅GMSの長崎屋を買収。長崎屋店舗を中心に改装し営業する。現在39店舗あり、四街道は第1号店だ。
MEGAドンキ四街道は、08年6月にオープンするといきなり、月次売上高は長崎屋時代の約3倍を記録した。その後も、一度として前年を下回らない。
四街道市の人口は大きく増えていない。消費者はどこから来るのか。「ライバルは(旧来の)GMS。そこからお客さんを取っている」と長崎屋の関口憲司副社長は断言する。
市内には、駅から徒歩8分の場所にイトーヨーカ堂がある。店舗面積は約6300坪と、MEGAドンキの1・7倍。食品、衣料品のほか、アクセサリー店や雑貨店、書店などをそろえる。それでも、客はMEGAドンキに足を運ぶ。市内に住む40代の主婦は「ペット用品などが充実している。安いから、いろんな商品を“ついで買い”してしまう。ヨーカ堂へ行く回数は減った」と話す。
MEGAドンキは、旧来のGMSの牙城を次々に切り崩している。
埼玉県さいたま市。JR浦和駅から車で20分のMEGAドンキ浦和原山店は、周囲3キロメートルに人口約11万人が住み、近隣にはオーケーストアをはじめ、スーパーが乱立する激戦区にある。浦和原山店は10年5月に、長崎屋からドン・キホーテに看板替え。さらに今年2月、MEGAドンキへ転換した。月次売上高は長崎屋時代の6倍。ドンキ時代と比較しても、約1・2倍に上るという。