スーパー、GMSは専門店に勝てるのか 「衣食も雑貨も楽しく買う。GMSへは行かない」の声


 「いつも同じ店員がいて、何がおいしいか相談できる。ほかでは手に入らない商品もあって買い物が楽しい」。毎日オオゼキを利用する40代の主婦は興奮ぎみに話す。

オオゼキの強みは、チェーンストア理論から逸脱した個店経営にある。その一つが、お客から要望のあった商品を記録するリクエストノートだ。次回の仕入れの参考にし、極端な場合、1品からでも仕入れる。顧客は感激し、ひいきのリピート客になる。小回りの利いたマーチャンダイジングが可能なのは、仕入れの権限を原則、各店が持っているからだ。

オオゼキでは、生鮮食品の仕入れから販売まで一人の担当者が行い、その日仕入れた商品の良しあしを適格に客に伝える。自分で仕入れた商品だけに、販売にも力が入る。

またオオゼキでは、多くの社員は入社後に配属された青果、水産、精肉などの部門から異動しない。各部門の社員は築地や大田の市場に入り浸り、先輩社員に徒弟制度で鍛えられ、生鮮の目利きへ成長していく。「食材のスペシャリストからじかに商品を買えるスーパー」として、GMSから乗り換えたお客の心をつかんで離さないのだ。

「広く浅く」で売ったGMSに対し「狭く深く」で成長する専門店たち。個別の売り場・商品ごとに局地戦を続けるかぎり、GMSに勝ち目はないようにも見える。GMSが逆転する余地は、はたして残っているのだろうか。

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(週刊東洋経済編集部 撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済2011年4月9日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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