値上げとの戦い、キユーピー襲う卵不足ショック 利益7割減の大打撃、鳥インフルの収束遠く
深刻な卵不足は、食品大手のキユーピーにも大打撃となっている。
4月6日に発表した2023年11月期第1四半期決算(2022年12月~2023年2月)は、営業利益が前年同期比75.4%減の16億5600億円となった。前年同期の67億3200億円から、本業のもうけである営業利益が激減した。
厳しい決算を受けて、2023年11月期の通期業績予想も下方修正した。営業利益はこれまでの予想から70億円引き下げて140億円(前期比45%減)を見込む。これはリーマンショック時の2008年11月期の141億円と並ぶ低水準となる。
最大の要因が鳥インフルエンザの感染拡大だ。2022年10月以降、採卵鶏の飼養羽数が激減、その前から続く飼料高騰とのダブルパンチで鶏卵価格は大幅に上昇した。
通期予想の営業利益の下方修正70億円の内訳を見ると、鳥インフルの影響額だけで113億円を占める。商品値上げを進めることで63億円の利益挽回を見込むが、すべてのマイナス要素を補うには至らない。
3度の値上げも追いつかず
キユーピーの主力事業は、マヨネーズやドレッシングを中心とした調味料だ。主力の家庭用・業務用のマヨネーズは大豆や菜種など食用油の高騰を受けて、2021年7月、2022年3月、10月と値上げを実施してきた。
2023年に入ると鶏卵価格の上昇が響き、今年4月には家庭用のマヨネーズやタルタルソース、業務用のマヨネーズや卵加工品の値上げを実施したが、価格転嫁は十分ではない。
キユーピーの髙宮満社長は「短期的にはコスト上昇影響のすべてを転嫁できていないが、過去の値上げはしっかり市場価格に反映されている。今後も状況に応じて柔軟に検討する」と、さらなる値上げをにおわせる。
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