中国のサービス業の景況感が急回復を続けている。4月6日に発表された2023年3月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は57.8と、前月(55.0)より2.8ポイント上昇。3カ月連続で2ポイントを超える上昇を示し、28カ月ぶりの高水準に到達した。
一方、3日前の4月3日に発表された3月の財新中国製造業PMIは50.0と、前月(51.6)より1.6ポイント下落した。製造業とサービス業のPMIが相反する動きを示したことは、(ゼロコロナ政策が緩和された後の)中国経済の回復ぶりがまだら模様であることを示唆している。
サービス業の3月の事業活動は、供給側と需要側の双方で引き続き活況だった。生産指数と新規受注指数はそろって2020年12月以降の最高値を記録。調査対象企業からは、ゼロコロナ政策の緩和を境に経営環境が徐々に改善し、「顧客数も売り上げも増えている」との回答が寄せられた。
雇用情勢も大きく改善
需要の急回復に対応するため、サービス企業は新規雇用を積極的に増やしている。だが、新規受注の拡大に人手の補充が追いついていない状態だ。サービス業の雇用指数は2月に拡大基調圏に浮上した後、3月はさらに上昇。2020年12月以降の最高値を記録した。
サービス業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は、3月は前月よりわずかに低下したが、引き続き長期平均値を大きく上回る水準にある。経営者の大部分が、ゼロコロナ政策緩和後の景気回復の持続に強い自信を持っていることの表れと言えそうだ。
「3月のデータでは、製造業とサービス業の景況感に落差が生じた。このことは、中国経済の回復基盤が強固とは言えず、内需が力不足であることを示している。今後に向けて雇用機会をさらに増やし、労働者の所得を向上させ、(将来に対する)市場の期待値を高める手立てが必要だ」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。
(財新記者:夏怡寧)
※原文の配信は4月6日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら