中国の港湾運営大手の中遠海運港口(コスコ・シッピング・ポーツ)は3月16日、エジプトのアイン・スクナ港のコンテナ埠頭運営に参画すると発表した。新たに建設される埠頭の運営会社に25%出資する。
同港はエジプトの紅海沿岸にある主要港の1つで、スエズ運河の南側の入り口にある。中国にとっては、自国とヨーロッパを結ぶ東西の海上貿易航路の中継点として位置づけられる。
中遠海運港口によれば、同社と他企業の共同出資で新会社を設立し、コンテナ埠頭の建設と運営にあたる。総投資額は約3億7500万ドル(約499億円)、経営期間は30年を予定しており、完成後のコンテナ取扱量は年間170万TEU(20フィートコンテナ換算)を見込んでいる。
同社はスエズ運河の北側(の地中海沿岸)にあるポートサイド港でも、埠頭の運営会社に20%を出資済みだ。「紅海側のアイン・スクナ港にも布石を打つことで、中国-エジプト間および中国-アフリカ間の貿易促進に貢献できる」と、中遠海運港口は説明する。
世界37港でコンテナバース運営
中遠海運港口は国有海運最大手、中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)の傘下にある。親会社のコンテナ輸送事業のグローバル化に歩調を合わせ、国際的なコンテナ埠頭運営会社への脱皮を目指している。
2022年末の時点で、同社は全世界の37港で合計220のコンテナバースを運営している。資本提携や買収を通じて、中国の沿海部から、東南アジア、中近東、ヨーロッパ、ラテンアメリカなどにネットワークを広げており、2022年のコンテナの総取扱能力は1億2200万TEUに達した。
なかでも力を入れているのが、中国-ヨーロッパ間の中継拠点への投資だ。上述のエジプトのほか、これまでにギリシャのピレウス港、ベルギーのゼーブルッヘ港、イタリアのヴァード・リーグレ港、ドイツのハンブルク港、シンガポール港などでコンテナ埠頭の運営権益を取得してきた。
(財新記者:李蓉茜)
※原文の配信は3月17日
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