浙江省の寧波舟山港は、コンテナの年間取扱量が3300万TEU(20フィートコンテナ換算)を超える中国最大級のコンテナ港だ。なかでも同港の「北侖港区」は、広大な埠頭に多数のガントリー・クレーンが立ち並ぶコンテナ輸送ビジネスの中心地である。
2023年3月上旬、北侖港区を訪れた財新記者の目に飛び込んできたのは、色とりどりのコンテナが港区内に溢れ、積み上げられた高さが6~7段に上っている光景だった。
これらはすべて貨物が入っていない「空き箱」だ。なぜなら、貨物が入ったコンテナは(重量上の制限で)5段までしか積めないからだ。
トレーラーの半数が休眠状態
北侖港区には「横舗車場」と「北侖集運基地」という、コンテナ・トレーラー専用の巨大な駐車場がある。そこには、運ぶべきコンテナがなく開店休業のトレーラーが約3000台もひしめいていた。
「49台のトレーラーは、49人のドライバーの生活を支えているんだ。それなのに、今日の受注は22箱しかなかった」。コンテナ物流会社の天旭国際物流を経営する豆中旭さんは、そう言って溜息をついた。彼の会社は、北侖港区に軒を連ねる約4000社の中小物流会社の1つだ。
豆さんは駐車場に置いた擦り切れたビジネス・チェアーに身を沈め、日なたぼっこをしていた。彼の会社のトレーラーは、ほぼ半数が休眠状態だ。ドライバーの誰に仕事を与え、誰に与えないか。豆さんのような経営者にとって、日々の頭の痛い問題になっている。
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