オードリー春日が動物園への謝罪で株を上げた訳 「スッキリ」騒動、なぜ批判一色を一変させられたのか

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“手のひら返し”による謝罪はなし

4日に公表した那須どうぶつ王国の文章によって、もう1つ明らかになったのが、ネット上の声と一部ネットメディアの手のひら返し。

両者は「謝罪しろ」から「さすが」と言葉を入れ替え、春日さんへの批判はなかったことのように振る舞っていて、恐ろしさを感じてしまいました。実際、ネット上には両者による「当事者でもないのにあそこまで批判して申し訳なかった」という謝罪の声はほとんど見られません。

そもそも、なぜ利害関係がほとんどない春日さんをあれほど批判したのか。日ごろ動物愛護の活動をしているわけでもないのに、なぜ今回はそれを主張したのか。それらを自省しないからこそ、こういうことが繰り返されているのではないでしょうか。そんな“叩くことありき”という人の多さに気づかされたのか、ネット上には「本当に不快なのはSNSの声やメディアの記事」というコメントがいくつか見られました。

さらにもう1つ、あらためて恐ろしいものを感じさせられたのが、ネット上の「もう叩く必要はない」「誠意を感じたから許すべき」などの声。まるで「自分が人の善悪をジャッジする側にいる」と思い込んでいるようなフレーズはどこから生まれてしまうのか。

利害関係のない人々が、犯罪に該当しないことまで他人を裁こうとしてしまう。このようなケースを見聞きしているだけの人も決して他人事ではなく、心の中に「生きづらい世の中になった」という実感を蓄積させる危ういものではないでしょうか。

今回、那須どうぶつ王国が公表した文章には、「尚、当園は SNS 等で個人への誹謗中傷は望んでおりません」というフレーズも書かれていました。被害者に当たる那須どうぶつ王国が個人への批判を求めていないことを明言した以上、これ以降の厳しい声は単なるクレーマーに過ぎないでしょう。

今回の件に限らず「自分の言動はそんなクレーマーのようになっていないか」、私たち一人ひとりが心がけていくべき時期なのかもしれません。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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