テレビゲームにおいても、ディレクターが変わると作品の方向性が変わります。前述のように『星のカービィ』シリーズは遊びやすいのが特徴のはずなのですが、『星のカービィ2』はかなり普通のアクションゲームに近寄っていました。
ほかの『星のカービィ』シリーズではカービィのコピー能力が非常に扱いやすく、プレイヤーは敵をなぎはらって無双するような感覚を味わえます。そうしていろいろなコピー能力をとっかえひっかえするのが楽しいわけですね。
一方、『星のカービィ2』ではカービィのコピー能力に制限が多め。お供の3匹と協力してようやくそれなりの性能になるといったところですし、ものによっては使いにくいコピー能力になってしまいます。
この傾向は下村氏がディレクションする作品で顕著で、その後に出る『星のカービィ3』や『星のカービィ64』でも変わりません。とくに、隠されたアイテムを見つけるときに苦労しやすくなっており、「カービィなのにこんなに大変なの!?」と思ったプレイヤーも少なくないでしょう。ゆえに『星のカービィ2』は異色作なのです。
こういった経緯もあり、シリーズファンにとっても『星のカービィ』のナンバリング作品は賛否両論なところがありました。
現在のシリーズは原点回帰している
とはいえ、現在のシリーズ作品は「多くの人が楽しめるアクションゲーム」に回帰していますし、Nintendo Switch『星のカービィ スターアライズ』では、下村氏が監督した作品もきちんとシリーズ作品であると認めるような描写も存在します。
いまになって改めてNintendo Switchで『星のカービィ2』を遊んでみると、そんな歴史的な経緯を含めて楽しめるはず。懐かしいゲームの新しい側面が味わえるでしょう。
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