「総額2億円超」漁師町の奨学金制度が投じた一石 町と信用金庫がタッグ、画期的な若者支援の実態

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長島町地方創生課の町口氏(左)と鹿児島相互信用金庫の青木氏(右)/筆者撮影
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学生の2人に1人は何かしらの奨学金を借りている時代である。平均家計収入が減少の一途をたどる一方で、物価や税金、社会保険料は上がり、大学の学費も値上がりしている。教育費の負担は大きくなっていく一方だ。

持続可能な仕組みの「ぶり奨学金」

鹿児島県長島町には「就職や進学後にいつかは町に戻って仕事をしたい」と思う若者を支援する「ぶり奨学金」という独自の奨学ローンシステムがある。

町の子どもたちの奨学ローンの返済を町で補填するシステムで、学校卒業後の10年以内に町に戻ってきたら返済を全額免除、帰ってこなくても利子が免除される。集められた基金額は2億3000万、交付実績1723万(令和4年度時点)という規模は、小さな漁師町としてはかなりの規模感だ。

「ぶり奨学金」はどのようにして生まれて運営されてきたのか、現在長島町で「ぶり奨学金」に携わる長島町地方創生課の町口真浩氏と鹿児島相互信用金庫の青木真氏、そして発案者である元長島町副町長・現山形市副市長の井上貴至氏に取材を行った。

山形市副市長の井上氏(筆者撮影)
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