
ウーバーからの打診
2016年にウーバーの人材採用担当から、新たに創設するチーフ・エコノミストの採用面接を受けてほしいとの連絡が入った。
しかしわたしは即座に断った。
2016年の夏、わたしは自身のキャリアでも特に野心的なプロジェクトで多忙をきわめていた。
それまで数年にわたってシカゴハイツという地域で取り組んでいた教育改善の研究成果を元に、全米、さらには諸外国に拡大できる、新しい教育カリキュラムのモデルを構築しようとしていたのだ。
すでに目いっぱいの毎日で、これ以上は荷が重い。そのうえ私は再婚を間近に控えていた。8人の子どもたちに2人の祖父母。新生活は、幸せながらも、しっちゃかめっちゃかになるだろう。
それに幼児早期教育に関するわたしの研究が、ライドシェアで世界制覇をもくろむシリコンバレーの会社とどんな関係があるというのか。
だが、この件について考えれば考えるほど、わたしの研究プロジェクトとウーバーには、共通する一つの大きな目標があることに気づいた。
「スケール」だ。
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