ウーバーのチーフ・エコノミストとしての任期がほどなく始まった。
こうして、まったく異なる二つの世界─経済学のフィールドワークでの長年のアカデミックなキャリアと、高速で進む21世紀のビジネスでの新たなキャリアが、わたしのなかで交わることになった。
すべての素晴らしいアイデアに共通していること
二つの世界が収斂したことで、わたしの理解は格段に深まった。データを活用して実社会でアイデアの実現可能性をどう評価するのか。さらに、そうしたアイデアをスケールアップし、飛躍的に多くの人々に届けるにはどうすればいいのか。
ウーバーは事実上、スケールの科学を研究するための新たなラボになったのだ。
わたしたちが設立したシカゴハイツ幼児センターは素晴らしいアイデアだ。ウーバーもまた素晴らしいアイデアだ。
他のさまざまな領域でも、素晴らしいアイデアは無数にある。だが、良いアイデア、あるいは素晴らしいアイデアが、完全に実を結ぶという法則はどこにもない。
じつは、すべての素晴らしいアイデアに共通しているのは、成功する保証はない、ということだ。
医学上の画期的発見、消費財、技術革新、政府のプログラム、その他のどんな事業も例外なく、当初掲げた目標から広範な影響を及ぼすまでに至るには必要なことが1つある。
「スケーラビリティ」、つまり、力強く持続可能な形で成長させ、拡大する能力だ。簡潔に言えば、スケールがあって初めて世界を変えることができるのだ。
(翻訳:高遠裕子)
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